やります。(一十口裏)

お疲れさまです、団長です。
げんこつ団25周年記念公演『四半世紀の大失態』、いよいよ本番間近となりました。
来週水曜に始まり、来週日曜に終わります。
なんと儚いのでしょう。

こんな儚いことを25年やってきたのですから、慢性健忘症にもなります。
つまり25年の重みみたいなものは、私、ほとんど感じていないわけです。
そん時そん時の生活や世の中に対して、くだらねえとか馬鹿馬鹿しいとか思うことを舞台にする。
ただそれだけなのです。そしてそれは、わけわからんものなのです。

が。今回は新作ながら総集編です。総集編ながら新作です。
過去やったシーンの馬鹿馬鹿しさを新たに見直しながら、それをどんだけ更に馬鹿馬鹿しくするか。
過去シーンをほぼそのままに連ねた20周年とはまた違い、その作業がとても新鮮な今回です。
また、それを体現してくださるキャストの皆さまとの共同作業が、特に有意義で楽しい今回です。

過去シーンにご出演頂いていた方、過去シーンを客席で観た方、過去シーンを初めて知る方、
それが入り乱れているわけです。
そして脚本の私も、共に演出の植木も、
過去シーンをあんまり覚えていなかったり、完全に覚えていなかったりするわけです。
過去シーンという土台はしっかりありつつも、新鮮な気分にならざるを得ません。
つまり新鮮な舞台に、ならざるを得ません。

特筆すべきは、23年ぶりの男性キャストの件なのでしょうが、
お二人のお人柄と柔軟な演技力のお陰で、稽古場でも舞台上でもあまりに自然に馴染んでくださり、
23年を軽く吹き飛ばすように、当たり前のように存在してくださっております。
それはもちろん、良いことです。とても良いことです。私、これを目指しておりました。

男女関係なく色んな人間を入れ替わり立ち替わり演じつつも、違和感がまったく働かない。
この度、観ているうちに、だんだんそんなものは気にならなくなっていくことを、お約束します。
それでこそ、この舞台上に女だけでなく男女共に存在することは意味深く、
またその性差を、効果的に使い、効果的に体現していけると思うのあります。
それはなんのためかというと、要は単に、馬鹿馬鹿しいことをしたいだけなのです。
世界はこんなにも馬鹿馬鹿しい、と、思って頂けたら至極幸いです。

そして、「いったいなにをしてるんだろう、この人たちは」としか思えぬシーンの連続に、
「25年もなにをしてるんだろう、この人たちは」と思って頂けたら、何より幸い。

仕事を恋愛を生活を世の中を笑いたい方、是非ご来場くださいませ。
舞台も客席も喜劇です。悲劇さえ喜劇です。悲劇こそ喜劇です。
その全ては、とてもくだらないものであります。

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