こんな感じです/一十口裏

コースターター。
電車の話で、電車内の話で、電車にまつわる人々の話で。
もうとにかく電車電車だけど、私は電車が苦手です。

毎日ひたすらガタンゴトンと、走らされている電車が怖いです。
乗っていると、軋むじゃないですか。
悲鳴のような軋み、呻きのような軋み、ときにはもう正気を失って笑っちゃっているような軋みを、発車する度、停車する度、カーブを曲がる度、あげ続けているじゃないですか。
その度に、大丈夫なのかなと思います。

そんな車両達の中にあって、立ったり座ったり眠ったり、窓の外の景色を見て色々思ったり、スマホをいじったり知人と談笑したりと、私は日常を送っているのです。
行き着く場所も大抵日常的な場所で、飛行機や新幹線みたいな特別感もなく、車みたいな自由感もないのです。
なのに誰よりも、軋んでいる。
悲鳴をあげて呻いては、正気を失っている。
しかもそんな車両達が、たくさん連なって、走るのです。
毎日ひたすら、ガタンゴトン。
ああ息が詰まる。
ああ怖い。

なので、そんな、毎日軋みに軋んでいる車両達を、私は解放したく思いました。
つまりこれは、車両解放運動です。
ついでに電車にまつわる人々も、毎日の軋みから、逃れさせたく思いました。
はい。ついでです。

そんな、「コースターター」です。なので、どこか爽快な内容かと思います。
でも、ガタンゴトンです。
それが電車である以上、ガタンゴトンなのです。

コースターター。
多分、そんな感じです。

あと今回、何故だかとても新鮮な気持ちで台本を書き始め、書き終えました。
なので多分、何故だかとても新鮮であるかもしれません。

さて、げんこつ団では様々な老若男女を女性のみで演じ分けていきますが。
それは記憶を辿ればそもそもは、私がどれだけ様々な人物を演れるか、どこまで老若男女を超えて演れるか、というところから始まっており、自分が出なくなって久しくてなっても、それをキャストに強いているということになります。
ひどい話です。

あと、誰それさん演じる誰それさん、という概念が、あまり好きではないからです。
山田さん演じる田中さん、の、山田さんは引っ込んでて欲しいし、引っ込めるだけにとどまらず、色々な役を演ることで、目くらましして隠したりしちゃえ、という思いからです。
ひどい話です。

そんな勝手な要求に、団員はもとより、常連客演さまはもとより、このたび初めて参加していただく方々も、しっかりと答えてくれております。
ついでに、若いパワーもいただいております。
おかげで、平均年齢が下がりました。
新鮮です。

また、引っ込んでて欲しいはずの出演者達の個性が、色々な役を演ることで、より滲み溢れ出すのは、長年の保証付。
その滲みもまた、今回、新鮮なのです。

そんな出演者の紹介は、今後ここか、ツイッター等で。

そんなこんなで、諸々と新鮮な気持ちで取り組んでおります、コースターター。
げんこつ団を観たことのある方々にも、切に。
もちろん、観たことのない方にも、切に。
ご覧いただきたく思っております。

是非とも皆さま、お誘い合わせのうえ、御来場くださいませ。
一同、心より、お待ちしております。