毛虫。

台本〆切は11月初め。現在およそ半分くらいまで進行。

突如日の出のようにゆっくりと現れ始めた何かは、
やがて空を覆って地上を真っ暗にしてしまいそうなほど巨大な顔で。
それが今、地平線から半分だけ覗き、こちらを見ております。

今はなんとなくそんなイメージで書き進めたい、バルブルです。

さて先週は私の頭に鳥のフンが乗っかりましたが、
今週は私の肩に毛虫が乗りました。

休憩から稽古場に戻ったら春原に物凄い勢いで首根っこ掴まれたので、
殴られるのかと思いました。

違いました。肩甲骨の辺りに毛虫がついていたのでした。
春原に首根っこ掴まれたまま、植木が毛虫を取ってくれました。
皆やさしい。殴られるかと思った自分はいやしい。

そんな皆は毛虫を見てたいそう気味悪がっていましたが、
背中寄りについていたので私だけ毛虫を見ずに済みました。
皆アンラッキー。自分ラッキー。

ところでさっきのイメージは今だけのイメージなので、
舞台に巨大な顔も出てこないし、そんなお話でもありません。

実を言うと。バージョン違いという新たな試みのおかげで、
後半においてもいつもに比べると、台本進行は少々難航しております。

例えばいつもは何バージョンかの流れや結末を考えて、
そこから自分的に一番イイのを選ぶのですが、今回はそうはいかない。
一番と二番では駄目なのです。一番と一番でなくてはならないのです。
なので二倍考えなくてはいけないのです。違う部分だけでなく、全部を二倍。
そして二倍となればすぐ三倍四倍になる。二倍きっちりなどでは終わらない。

と、いうことは。その方がイイのです。間違いなくイイのです。
なのでイイイまま、突き進みます。
一切逃げずごまかさず、イイイイ感じで行きたいと思っております。

(団長)